アニメと共に是非原作も!『ブレイブストーリー』
えぇと、非常に緊迫した情勢が続いていますが、
TVのニュース番組も、同じような番組構成ばっかりですね。
なので、読後の印象が薄れないうちに、本のご紹介しちゃいます。
今年の夏公開のアニメ映画は大作が2本。
それぞれ趣向を凝らした宣伝合戦が繰り広げられているそうですね。
ひとつはスタジオジブリの『ゲド戦記』(原作:アーシュラ・K・ル=グウィン)
公式HP http://www.ghibli.jp/ged/
そしてもうひとつが、『ブレイブストーリー』(原作:宮部みゆき)
公式HP http://www.bravestory.net/index.html
『ゲド戦記』については、「指輪物語(映画ロードオブザリング原作)」や「ナルニア国ものがたり(一作目をディズニーが映画化)」と並んで、世界三大ファンタジーと呼ばれるそうです。
ねこねこは以前にも度々書いていたような気がしますが、宮部みゆき氏の大ファンなので、とりあえずブレイブストーリーの原作を手に取りまして。
極力ネタバレしないようにざっくり書きますけど・・・あったらごめんなさい(笑)
『ブレイブ・ストーリー (上)』宮部みゆき・著/文庫版上・中・下全3巻)
手に入れたはいいけど、映画の宣伝を先に見てしまって、
「宮部みゆきとファンタジー小説?むむむ・・・」
となかなか本を開かなかったんですよ、実は。
これまでの作品でも、超能力を時代物・現代物問わず非常に“現実的”に描いてきた作家さんなので、それ程抵抗はなかったのですが、映画の宣伝って“RPGみたいな勇者モノ”が前面に出てるでしょ。それで「むむむ・・・」と思ったりしていて。先入観ですね^^;
ところがようやく本を開いたら、今度はストーリーに引き込まれてしまって閉じられない(笑)結局、2日間で3巻全部読みきりました。他のことは全部放ったらかし状態。
・・・で、旦那さまと顔を見合わせてしまいました。
「このテーマ、子供向けじゃないよね?」
大きな流れとしては、「精神的・肉体的冒険を通じて成長する少年の物語」なんですけど、その中に描きこまれているのは「目的達成に至るまでの手法と正義の二面性、および懲罰的思想とは」っていう、どっかの大学教授が論文を書いちゃいそうなテーマなんですね。
ただ、根本的に子供の目線で色々な事象や挫折を理解し乗り越えるっていうお話なので、読みやすいです。
また、宮部氏独特の日本語の温かさも健在。
以前、氏の別の作品『ステップ・ファーザー・ステップ』を読んだ時に感じた、子供への愛情こもった視線というのも健在。
言い回しの端々、物語の登場人物が交わす会話の端々、また擬音の表現などに温かみがたっぷり。まるで汁気たっぷりの高野豆腐の含め煮のようです(笑)
・・・なので、映画化された時に、どこまで描き込むことができるものかと。
この雰囲気とテーマこそが物語の厚みと奥行きを保障していて、その辺りをどう表現するのか。声を当てる俳優さんたちが、どこまで声で演技ができるのか。
むむむ。
あとは、今の子供たちの心に響きにくいテーマかもなぁと。
今の現実社会って、「自分がよければ何をしてもいい」みたいな、
また「悪いことをした人には何をしてもいい」みたいな認識が
何だか当たり前のように広まってきていると私は思うんですけど、
この物語はそういう認識に対して
「本当にそうかな?」
っていう疑問を投げかける作品なんですね。
最終的には作品なりの答え(つまりは主人公にとっての答え)が導き出されるわけですが、決して勧善懲悪的ではない。あくまでも経験から一つのモノの見方に到達したってことで、それは確かに本人にとっての「答え」ではあっても、必ずしも「正解」ではないかも知れない、っていう。
キャラクター自体も、映画ではどうなるか分かりませんが、原作の中では常に二面性があります。
一応ストーリーの進行上、ヒール役に相当するキャラクターというのはいるわけですが、「ひょっとすると、今の子供たちは主人公よりヒール役に共感するかもなぁ・・・」と思わせるくらい善悪の役割が曖昧なんですね。
かつ主人公はどっちかっていうと、ヒーローには向かないかなぁっていう性格。
どうもどんくさいし、はっきりしないし、頭で考える性質なので、ばっさばっさと敵を倒し・・・というタイプじゃないんですね。
むしろ前述のヒール役の方が、ヒロイックだったりします。それも物語の中盤を過ぎるまで。
そういう意味で、子供たちにとっては細かい部分でかなりの想像力をはたらかせないと、ただのRPGみたいな世界に入り込んで冒険する、同じような年代の子のハナシっていう平坦な印象しか残らない可能性もあるなぁと。
この原作、大人にも読み応えがありますが、
どっちかっていうと子供たちに読んでみてほしい。
読書感想文の課題図書に入れてもいいと思うくらいです。
宮部みゆき氏の紡いだ「現実的なファンタジー」、
是非ゼヒ堪能してみてくださいまし^^
TVのニュース番組も、同じような番組構成ばっかりですね。
なので、読後の印象が薄れないうちに、本のご紹介しちゃいます。
今年の夏公開のアニメ映画は大作が2本。
それぞれ趣向を凝らした宣伝合戦が繰り広げられているそうですね。
ひとつはスタジオジブリの『ゲド戦記』(原作:アーシュラ・K・ル=グウィン)
公式HP http://www.ghibli.jp/ged/
そしてもうひとつが、『ブレイブストーリー』(原作:宮部みゆき)
公式HP http://www.bravestory.net/index.html
『ゲド戦記』については、「指輪物語(映画ロードオブザリング原作)」や「ナルニア国ものがたり(一作目をディズニーが映画化)」と並んで、世界三大ファンタジーと呼ばれるそうです。
ねこねこは以前にも度々書いていたような気がしますが、宮部みゆき氏の大ファンなので、とりあえずブレイブストーリーの原作を手に取りまして。
極力ネタバレしないようにざっくり書きますけど・・・あったらごめんなさい(笑)
手に入れたはいいけど、映画の宣伝を先に見てしまって、
「宮部みゆきとファンタジー小説?むむむ・・・」
となかなか本を開かなかったんですよ、実は。
これまでの作品でも、超能力を時代物・現代物問わず非常に“現実的”に描いてきた作家さんなので、それ程抵抗はなかったのですが、映画の宣伝って“RPGみたいな勇者モノ”が前面に出てるでしょ。それで「むむむ・・・」と思ったりしていて。先入観ですね^^;
ところがようやく本を開いたら、今度はストーリーに引き込まれてしまって閉じられない(笑)結局、2日間で3巻全部読みきりました。他のことは全部放ったらかし状態。
・・・で、旦那さまと顔を見合わせてしまいました。
「このテーマ、子供向けじゃないよね?」
大きな流れとしては、「精神的・肉体的冒険を通じて成長する少年の物語」なんですけど、その中に描きこまれているのは「目的達成に至るまでの手法と正義の二面性、および懲罰的思想とは」っていう、どっかの大学教授が論文を書いちゃいそうなテーマなんですね。
ただ、根本的に子供の目線で色々な事象や挫折を理解し乗り越えるっていうお話なので、読みやすいです。
また、宮部氏独特の日本語の温かさも健在。
以前、氏の別の作品『ステップ・ファーザー・ステップ』を読んだ時に感じた、子供への愛情こもった視線というのも健在。
言い回しの端々、物語の登場人物が交わす会話の端々、また擬音の表現などに温かみがたっぷり。まるで汁気たっぷりの高野豆腐の含め煮のようです(笑)
・・・なので、映画化された時に、どこまで描き込むことができるものかと。
この雰囲気とテーマこそが物語の厚みと奥行きを保障していて、その辺りをどう表現するのか。声を当てる俳優さんたちが、どこまで声で演技ができるのか。
むむむ。
あとは、今の子供たちの心に響きにくいテーマかもなぁと。
今の現実社会って、「自分がよければ何をしてもいい」みたいな、
また「悪いことをした人には何をしてもいい」みたいな認識が
何だか当たり前のように広まってきていると私は思うんですけど、
この物語はそういう認識に対して
「本当にそうかな?」
っていう疑問を投げかける作品なんですね。
最終的には作品なりの答え(つまりは主人公にとっての答え)が導き出されるわけですが、決して勧善懲悪的ではない。あくまでも経験から一つのモノの見方に到達したってことで、それは確かに本人にとっての「答え」ではあっても、必ずしも「正解」ではないかも知れない、っていう。
キャラクター自体も、映画ではどうなるか分かりませんが、原作の中では常に二面性があります。
一応ストーリーの進行上、ヒール役に相当するキャラクターというのはいるわけですが、「ひょっとすると、今の子供たちは主人公よりヒール役に共感するかもなぁ・・・」と思わせるくらい善悪の役割が曖昧なんですね。
かつ主人公はどっちかっていうと、ヒーローには向かないかなぁっていう性格。
どうもどんくさいし、はっきりしないし、頭で考える性質なので、ばっさばっさと敵を倒し・・・というタイプじゃないんですね。
むしろ前述のヒール役の方が、ヒロイックだったりします。それも物語の中盤を過ぎるまで。
そういう意味で、子供たちにとっては細かい部分でかなりの想像力をはたらかせないと、ただのRPGみたいな世界に入り込んで冒険する、同じような年代の子のハナシっていう平坦な印象しか残らない可能性もあるなぁと。
この原作、大人にも読み応えがありますが、
どっちかっていうと子供たちに読んでみてほしい。
読書感想文の課題図書に入れてもいいと思うくらいです。
宮部みゆき氏の紡いだ「現実的なファンタジー」、
是非ゼヒ堪能してみてくださいまし^^
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