『武士の家計簿』を読んだ(゚∀゚)
Sankei EXpressの購読申し込みプレゼントで頂いた本をずっと仕舞い込んでいたのですが、
引越しがひと段落してようやくゆっくり読むことができました。
ところがこれが…ゆっくり読もうと思ったのだけど、面白すぎてあっという間に読んでしまいまして(笑)
武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
著者の磯田道史氏は、茨城大学人文学部助教授だそう。
ご専門はWikipediaでは日本近世史となっているようですが、他のサイトでは日本社会経済史とのこと。
前書きで、神田の古書店にその古文書を買いに走るところから始まり、自宅の台所のテーブルに広げて読むことに没頭していくのですけど、何と言うか
「学者の先生というのは、そーだよなぁ」
と既に微笑ましいわけで^^
そんな柔らかい始まり方そのままに、古文書から読み取った内容を柔らかく、分かりやすく書いています。
ところどころ専門の知識で状況を説明してくれているので、幕末期~維新~新政府時代と激動の世の中を経理のウデで乗り切っていった親子三代に渡るあるお武家さんの、台所事情やその時代の下級武士の暮らしの裏側と習俗というのがとてもよく見えます。
そのお武家さんというのは、加賀百万石の「御算用家」、猪山家。
金沢藩の経理担当者ですね^^
そんな「経理のプロ」が自分ちの家計簿をつけていたわけで、それがまるまる完全な形で残っていたそうです。
そんでもって、それがまた莫大な借金を抱えているんだなぁ。
家計は破綻寸前、家財から妻の嫁入り衣装から一切合財売って、大口の債権者だった商人に利息交渉をし、それでもやはり出費は嵩むそのリアルな様子ったら。
しかも、何に費用がかかるかと言ったら、今で言う「交際費」に当たるものなんですね。
それを磯田先生は「身分経費」と書いていました。
今でも何となくありますね。
たとえば、銀座のデパートのカルチャースクールに行ったら、クラスを牛耳っているのがいわゆる「セレブな奥様」ばっかりで、スクールが終わった後のお茶や食事で毎回えらい金がかかるし、うっかりドトールなんぞに誘えない雰囲気なのでやめた、とか(笑)
スクールならやめられるからいいけど、武士身分はうっかり辞められないし^^;
それと、頼母子講。
同じくらいの格式のお家が集まって(大抵は職場の同僚とか)、出資しあってそこから融通するという金融のしくみなんですけど、これも今でも何となくあります。
「無尽」というそうですが、たとえばご近所の奥様方が毎月決まった額を積み立てして、1年に1回海外旅行に行く、とかもその一種。
金融でありながら、社会的な「お付き合い」も兼ねているという。
なので、家計簿は未だ大赤字なんだけど、頼母子講への出資はとにかくしていたそうな。
もう、そんな赤裸々なハナシなんですけど、とにかく面白い!
で、当時の通貨単位が金やら銀やら銭やらなんですが(関西なので通貨として流通していたのは銀と銭)、それもちゃんとした換算とともに「現代感覚だとこのくらいの金額」という目安が表にされていて、収支の逼迫加減が実感をともなって迫ってくるというか^^;
それでも幕末期に没落する武士が多かった中、荒波を超えて出世してるので、まだ希望がありましたけど。
あとは、「ナゼ日本の武士階級は、ヨーロッパみたいな“領主”ではなかったのか」とか。
これは、「当時の収入はどういうものだったのか」ということに関連して、磯田先生が考察をお書きになっていて、これがまた何故あの激しい社会制度の変化にある程度適応できたのか(もちろん適応できなかったお武家さんもいたけども)、腑に落ちる感じです。
「数字が語るリアルな幕末の記録」といった風な本なので、幕末期にご興味のある向きは、是非ご一読を。
引越しがひと段落してようやくゆっくり読むことができました。
ところがこれが…ゆっくり読もうと思ったのだけど、面白すぎてあっという間に読んでしまいまして(笑)
著者の磯田道史氏は、茨城大学人文学部助教授だそう。
ご専門はWikipediaでは日本近世史となっているようですが、他のサイトでは日本社会経済史とのこと。
前書きで、神田の古書店にその古文書を買いに走るところから始まり、自宅の台所のテーブルに広げて読むことに没頭していくのですけど、何と言うか
「学者の先生というのは、そーだよなぁ」
と既に微笑ましいわけで^^
そんな柔らかい始まり方そのままに、古文書から読み取った内容を柔らかく、分かりやすく書いています。
ところどころ専門の知識で状況を説明してくれているので、幕末期~維新~新政府時代と激動の世の中を経理のウデで乗り切っていった親子三代に渡るあるお武家さんの、台所事情やその時代の下級武士の暮らしの裏側と習俗というのがとてもよく見えます。
そのお武家さんというのは、加賀百万石の「御算用家」、猪山家。
金沢藩の経理担当者ですね^^
そんな「経理のプロ」が自分ちの家計簿をつけていたわけで、それがまるまる完全な形で残っていたそうです。
そんでもって、それがまた莫大な借金を抱えているんだなぁ。
家計は破綻寸前、家財から妻の嫁入り衣装から一切合財売って、大口の債権者だった商人に利息交渉をし、それでもやはり出費は嵩むそのリアルな様子ったら。
しかも、何に費用がかかるかと言ったら、今で言う「交際費」に当たるものなんですね。
それを磯田先生は「身分経費」と書いていました。
今でも何となくありますね。
たとえば、銀座のデパートのカルチャースクールに行ったら、クラスを牛耳っているのがいわゆる「セレブな奥様」ばっかりで、スクールが終わった後のお茶や食事で毎回えらい金がかかるし、うっかりドトールなんぞに誘えない雰囲気なのでやめた、とか(笑)
スクールならやめられるからいいけど、武士身分はうっかり辞められないし^^;
それと、頼母子講。
同じくらいの格式のお家が集まって(大抵は職場の同僚とか)、出資しあってそこから融通するという金融のしくみなんですけど、これも今でも何となくあります。
「無尽」というそうですが、たとえばご近所の奥様方が毎月決まった額を積み立てして、1年に1回海外旅行に行く、とかもその一種。
金融でありながら、社会的な「お付き合い」も兼ねているという。
なので、家計簿は未だ大赤字なんだけど、頼母子講への出資はとにかくしていたそうな。
もう、そんな赤裸々なハナシなんですけど、とにかく面白い!
で、当時の通貨単位が金やら銀やら銭やらなんですが(関西なので通貨として流通していたのは銀と銭)、それもちゃんとした換算とともに「現代感覚だとこのくらいの金額」という目安が表にされていて、収支の逼迫加減が実感をともなって迫ってくるというか^^;
それでも幕末期に没落する武士が多かった中、荒波を超えて出世してるので、まだ希望がありましたけど。
あとは、「ナゼ日本の武士階級は、ヨーロッパみたいな“領主”ではなかったのか」とか。
これは、「当時の収入はどういうものだったのか」ということに関連して、磯田先生が考察をお書きになっていて、これがまた何故あの激しい社会制度の変化にある程度適応できたのか(もちろん適応できなかったお武家さんもいたけども)、腑に落ちる感じです。
「数字が語るリアルな幕末の記録」といった風な本なので、幕末期にご興味のある向きは、是非ご一読を。
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