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zoom RSS 誉め言葉としての“面倒くさい本だなぁ”という評を贈りたい−『国家の品格』(藤原正彦・著)

<<   作成日時 : 2006/04/30 23:25   >>

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先日、『ダーリンは外国人2』を本屋で買った時、
ナゼかいわゆる“嫌韓本”と同じ棚に分類されて置かれてました。
題名だけは耳にしていましたが、これまで手に取ることはなかったのですけど、
「これもなんかの縁かもね」
と、『ダーリン〜』と合わせて購入。
(そうそう、ネットで発注してた『ダーリンは外国人1』と『ダーリンの頭ン中−英語と語学』も届きまして、この記事書き上げたら読もうと楽しみにしてるとこです^^)


本には色々なジャンルがありますが、すごーく大雑把に分けて
「読むことで知識を蓄えることができる本」と
「読むことで思考させられる本」とがあると思うんです。

「知識を蓄えることができる本」というのは
例えば歴史、伝記、論文、ノンフィクション、ノウハウ・マニュアル本・・・などなど。
具体的な資料や取材結果など緻密に調べた結果と、ジャンルによっては著者の意見を付加して出版されるもの。

「読むことで思考させられる本」というのは
例えば哲学書、対談集、エッセイ、読み方によっては古い文学作品だとか詩集・和歌集とか。柔らかいとこだと推理小説なんかもそうかな。


独断と偏見でとっても簡単に分けてしまったので、必ずしもそうではなくノンフィクションに近いエッセイだとか歴史書に近い哲学書だとか、また逆もあるでしょうし読み手によって違うとは思いますけど。


で、『国家の品格』は、
「読むことで思考させられる本」だなぁと、思ったんですね。

そんな分厚い本じゃありませんし、元は著者である藤原氏の講演の原稿に手を加えて出版されたものなので、字面だけ追っていくなら2〜3時間で読了するくらいの量です。
読んでいるときも、読者に語りかける文体が読みやすく、すいすい読み進む感じです。

しかし、読後にはた、と考えてしまいました。
この本は、何の「答え」も読者にもたらさないのですね。

まず本の最初の半分を使って、自由経済や民主主義、自由、平等といったものの限界を語り、論理の限界を例を挙げて指摘します。

次に日本の「情緒」と「形」、「武士道由来の精神」と教育について、日本が独自に持っている価値観を見直そう、ということを提案します。
また数々のエピソードから、「日本人の感性ってこういうもの、外国人からはこの位特殊に見えるものらしい」ということを紹介しています。
更に現在の教育における問題点を指摘し、「武士道」を思い出そうと語りかけます。

そして最後に藤原氏が考える「理想の国家の品格とは国民一人ひとりが日本人らしい情緒と形を思い出すことで形作られる。現在の社会システムの限界からくる社会の荒廃を救う為に「心」を世界へ発信しよう」ということを高らかに提案します。


・・・こう書くと、最後に何だか答えが出ているようですが、その「理想」は「かなりの大風呂敷」(著者が本の冒頭であらかじめ読者にことわりを入れている)であって「実現可能かどうか」をこの本で検証しているわけではないのですね。

この本での藤原氏の考えは、ねこねこは大いに賛成するところですし(主に“道徳観念”に関わる部分とか。もちろん細かいところで自分は違う意見だなぁと思った部分もある)、自分自身にも言い聞かせるべき部分が多かったのですが、それをどう現実に嵌めていくか、嵌めることができるか、というのは読者が考える部分だと思いました。

それには現実に身の回りで起こっていることも把握しなきゃいけない。ちょうど今、時事問題はてんこ盛り。いつもよりニュースを見ようとか新聞を丹念に読んでみようとか思う方も多いかも。

読み手によっては藤原氏が提起した民主主義やら自由経済やらへの疑問を、自分で調べるなり勉強するなりしてみようと思う方もいるかも知れません。

とりあえず新渡戸稲造の『武士道』を読まなきゃ!と思う方もいるでしょう(←ねこねこはこれw)

早速実践をと有名な文学作品の読破にチャレンジする方や、俳句・和歌集を手本に「季節の一句・一首」を作ってみようかなという方も・・・。

あるいは「自然への感性かぁ・・・普段室内にいることが多いから、いい季節だしちょっと外の風にあたって公園の緑を見に散歩してみようかな」とか。

不思議と読後に思考させられることによって、いつもの生活+α なことがしてみたい気分になっちゃう本だったりしませんか、これ。


よって、敬意を表し「面倒くさい本」の称号を捧げます(笑)


読む人によって感じ方は様々だろうなぁ・・・と思いふとAmazonのレビューを見に行ったのですけど・・・・いやー、すごいですね、反響が。びっくりしました。批判がすごい。
(それにしても皆さん、よくあんな限られた文字数でご自分の意見をまとめられるものだなぁと感心。)

一度この本をお読みになった方で、“どんな意見でも”とりあえず冷静に読める方は、一度覗いてみるのもいいかもなぁ・・・と思います。

ねこねこが色々な批判を読んで思ったのは、今の日本人というのは自分も含めてマニュアル本・ノウハウ本の類にずいぶんと慣らされてきたのだなぁ・・・ということ。
読んですぐに利用できない情報は、「役立たず」と投げ捨てられがちなのかなぁ・・・と。

この本の中で、まさに「一見今すぐ役に立たなさそうなものの大きな価値」ということを述べていたのになぁ・・・なんて^^;


この本から何を読み取るかは人それぞれですけど、字面だけ追って「なんだこりゃ」と投げてしまうにはあまりにも惜しい事柄がたくさん盛り込まれています。

それは「情緒」をはじめとする「こころ」の話で、そういった意味では
「現代日本人向け精神世界の本」とも言えるかも知れませんね。



〜蛇足〜
ねこねこが文中で一番気に入った、笑えるエピソードは、
「古池や 蛙飛び込む 水の音」にまつわる話。
腹抱えて笑ってしまいました^^;(まだ読んでない方は、ゴメンナサイ)
国家の品格 (新潮新書)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
携帯からなのでamazonには行けないけど、著者が民主主義や平等主義の限界を指摘している点について、それらは数学の定理ではないから当然限界があると批判することは可能かも。しかし民主主義、平等主義が無瑕万能で批判を許さないものと思い込んでいる人も多く、著者の指摘は大衆が最初に理解すべきマイルストーンとしては重要ではなかろうか。学問的真理探究の文脈と大衆啓蒙の文脈に分ければ本署の役目は後者ということになり、前者の文脈からの批判は、はっきり言って無粋、おとなげない。
tesa
2006/05/01 10:06
>tesaさん
ねこねこの拙い記事を、的確に補完して下さってありがとうございます。

ほんっとにAmazonのレビューは、細かい指摘というかツッコミが多くて何となく「的外れだなぁ、読むとこはそこじゃないのになぁ」と、思っていたのですが、記事文中で上手く書き表せませんでした(汗)
ねこねこ
2006/05/01 16:46

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